イイホシユミコ

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30歳になった頃からか、あるいはもう少し前からか、あらゆる欲がなくなってきた。くすんだ色、特に彩度の低い青が好きになってきたのもこの頃からかも。

20代の頃は、欲しい物リストが増え続け、行きたい場所リストも増え続け、やったことがないことは全部やりたいモード(決して続くものはない)。

それが気づいたら、美術館の企画展があれば期間内に絶対行っていたのにまあいっかと思うようになり、新しいお店ができてもまあいつか行こうみたいな気持ちになった。

一回経験したことは、想像がつくし驚きも感動も少ないからなのか、ラグジュアリーなものへの憧れも本当になくなってしまった。

向上心や欲や好奇心やらは生きるエネルギーで、若い無鉄砲さがうらやましいような。

世界は自分を中心に回っていて、何にでもなれると思っていた頃を振り返るようになるのが歳を取ったということなのかな。

そう思うと、70歳でエベレストに登る冒険家とか、どうしてそんなに情熱と好奇心を持ち続けられるのか本当に不思議だ。

新しいことを学び続けて変わり続けていないと、何もかもつまらなくなってしまう気がする。

ある日底を打って、またアクティブモードになるのか、それともこのままおばあちゃんまっしぐらなのかそれが問題だ。

終わり。